目次
社会不安障害(社交不安障害)とは
人前でスピーチをしたりする
のは緊張感を伴います。
しかし、人とのかかわりを持つ場面で
不安や恐怖を感じたり、また
その症状が続くことで
そういった場面を避けるように
なったりすることがあれば
社会不安障害と診断されるかもしれません。
珍しい病気ではなく、生涯有病率は13%
(7人に1人は社会不安障害になりうる)と言われています。
発症年齢は比較的若いですが(平均13歳)成人になってから発症する場合もあります。
近年、札幌市ではひきこもりの支援を
行っていますが、それらとの関連性も考えられています。
社会不安障害(社交不安障害)の症状
以下のような行動に不安や恐怖を感じたり、避けようとすることがあります。
※一部が当てはまるからと言って、それをもって社会不安障害と診断されるものではありません。(参照: Liebowitz Social Anxiety Scale 日本語版(LSAS-J))
- 人前で電話をかける
- 公共の場で食事をする
- 観衆の前でスピーチをする
- 目上の人や権威ある人と話をする
- 他者に見られながら仕事(勉強)をする
- 他者の注目を浴びる
- 会議で意見を述べる
社会不安障害(社交不安障害)の治療
認知療法、認知行動療法や薬物
による治療も行われます。
認知行動療法とは、ものの見方や考え方を
少しずつ変えることによって、自分らしく
楽な気持ちで物事に
対応できるようにすることです。
また薬物による治療では、恐怖や不安を和らげる薬を用いたりします。
不安感や恐怖心が余りに強い方では、薬で症状を軽くすることが有効な場合があります。
DSM-5における社会不安障害の診断基準
A. 他者からの注目を受け得る1つ以上の社交場面に対する、著しい恐怖または不安。例えば、社交的なやりとり(例:会話を持ったりすること)、見られること(例:食べたり、または飲んだりすること)、他者の前で行動すること(例:スピーチすること)が含まれる。 |
B. その人はある行動をすることに対する恐怖を感じたり、または否定的な評価を受けることに不安症状を示してしまうことに対して恐怖を感じたり(例:恥をかいたり、困惑したり、拒絶されたり)、他者を怒らせることに対して恐怖を感じる。 |
C. その社交的状況がほぼ毎回、恐怖や不安を引き起こす。 注 : 小児の場合では恐怖や不安は、泣く、八つ当たり、頑として動かない、まとわりつく、縮みあがる、社交的状況で話せなくなる、というような形で表現されることがある。 |
D. その社交的状況は積極的に回避されるか、著しい恐怖や不安がありながら耐え忍ばれる。 |
E. その恐怖や不安は、その社交的状況がもたらす現実の脅威に釣り合わない。 |
F. その恐怖、不安、またはそれらを回避しようとすることは持続的で、典型的には6カ月以上続く。 G. その恐怖、不安、またはそれらを回避しようとすることが、臨床的に重大な苦痛、社会的、職業的、または他の重要な領域における機能的な障害を引き起こしている。 |
H. その障害は、ある物質による直接的な生理的影響(例:薬物乱用や医薬品による)、または他の医学的な疾患によるものではない。 |
I. その障害は、他の精神疾患ではうまく説明されない。(例:パニック症におけるパニック発作の予期不安、広場恐怖症、不安分離障害、身体醜形障害で身体的欠陥が公に認知される、自閉スペクトラム症における社会的コミュニケーションの問題)また会話の失敗は、吃音、コミュニケーション障害における表現言語の問題、反抗挑戦性障害における発言拒否、など他の症状ではうまく説明されない。 |
J. 他の医学的な疾患(例:吃音、パーキンソン病、肥満、熱傷・負傷による醜形)がある場合、その恐怖、不安、または回避しようとすることは、明らかに医学的な疾患とは無関係または釣り合わない。 |
該当すれば特定すべき パフォーマンス限局型 : その恐怖が、他の状況では話せても、特に公衆の面前(例 学校)で話をすることに限定されている場合 |
参照: 厚生労働省HP,札幌市HP,
Liebowitz Social Anxiety Scale 日本語版(LSAS-J)